近年少しずつですが話題にもなっている爬虫類界でトップの人気を誇るヒョウモントカゲモドキ。英名はレオパードゲッコー(レオパ)。
飼育に関しては犬猫などと比較すると容易にできますが注意点なども多くあります。しかし、しっかりと注意点を押さえておけば長生きしてくれることでしょう。
今回のこの記事では、飼育する際に必要な最低限の知識を解説していきます。
ヒョウモントカゲモドキってどんな生き物なの?
英名:Leopard Gecko
体長:18~25cm
生息地:インド、イラン、パキスタンなど
体重:オスメスともに55~80g
寿命:10~15年ほど
ヒョウモントカゲモドキは見た目からトカゲと間違えられがちですが、モドキと名前にもあるようにヤモリの仲間です。有隣目トカゲ亜目ヤモリ科に属しています。
しかし、ヤモリのように壁を登ったりすることができず、トカゲのようなまぶたを持っており、トカゲに近い一面があるため「トカゲモドキ」とよばれています。
ヒョウモントカゲモドキ 特徴
ヒョウモントカゲモドキの代表的な特徴は以下の通りです。
- 尻尾が太い
- 他の爬虫類のように壁を登ることが出来ない
- まぶたがあり、まばたきをする。寝る時に目をつむる
- 飼い主のにおいを覚えてくれる(個体差あり)
1番特徴なのは尻尾が太くなることだと思います。
健康的なレオパの多くは尻尾に栄養を蓄えており成長するにつれて太くなっていきます。
栄養を普段取れていない生体は尻尾が細くなっているので注意が必要になります。
ヒョウモントカゲモドキ 飼育環境
初心者の方にオススメしている飼育する際に必要な物品は以下の通りです。
- ケージ
- 床材
- シェルター
- 温度・湿度計
- パネルヒーター・保温器具
- 餌
ケージ
ヒョウモントカゲモドキは、壁を登ったりしないので高さは必要ありません。
ケージの素材は、プラスチック製・アクリル製・ガラス製の3種類があります。プラスチック製が1番安いですが、初心者の方にオススメできるのはアクリル製となっています。
プラスチックより耐久性が高いうえ軽量なので掃除などもしやすいです。
まずは、アクリル製で慣れておいてその後プラスチック製やガラス製などを考えておくといいと思います。
床材
床材に関しては、色々意見が分かれます。床材は砂が良い、キッチンペーパーがいいなどありますが、個人的にオススメなのはキッチンペーパーです。
フンがあればキッチンペーパーを取り換えるのみなので初心者の方でも、簡単に掃除をすることが出来ます。
砂の床材は、誤飲をしてしまいフンが出なくなる(腸閉塞)などを引き起こす可能性があります。
その他にも砂の交換をする際にボロボロとこぼれてしまい掃除が大変になったりとデメリットが多いのが現状です。
見た目を気にするのであれば砂の方が良いと思います。
シェルター
ヒョウモントカゲモドキは普段日中は岩の隙間などに身を潜めています。これらは飼育下でも変わりはなく隠れる場所がなければストレスを与えてしまうことになります。
体長に合わせたシェルターサイズにしましょう。
オススメのシェルターはシェルター上に水を入れる部分があるものがオススメです。水を入れる部分があれば、他に水入れを購入する必要もありません。
それだけではなく、ケージ内の湿度も上げてくれるので機能的に一石二鳥になります。
温度・湿度計
ヒョウモントカゲモドキの最適温度は25℃~30℃、湿度は50%程度。
それを可視化するために温度計・湿度計は必須となっています。
温湿度計はアナログ型とデジタル型がありますが、デジタル型は電池が必要になったりと何かと費用がかかるので半永久的に使用できるアナログ型をオススメします。
パネルヒーター・保温器具
先ほどの所でも説明しましたが、温度湿度がかなり重要な生き物です。
温度を維持するためにも保温器具が必要です。
ケージ下に敷くパネルヒーターとケージ上に設置する保温器具(暖突・ヒーティングトップなど)の2つが必要です。
ヒョウモントカゲモドキはその時その時で自分で温度調整をします。暖かい場所、そうではない場所を作ることで快適なエリアへ自分で移動します。
パネルヒーターは必須ですが、保温器具に関しては省略することが可能で、断熱材でケージを囲むことによって温室を作り、温度管理をする方法もあります。
餌
ヒョウモントカゲモドキに与える餌の種類は、コオロギ、デュビア(オーストラリアの方のゴキブリ)、ピンクマウス、人口フードなどがあります。
虫はダメなんだけど、ヒョウモントカゲモドキを飼いたい・・・。という方でも人口フードのみで飼育することは可能ですのでご安心ください。
人口フードのオススメは、レオパゲルとレオパドライの2つです。
しかし、人口フードに関してはベビーサイズの頃から与えていないと興味を示さなかったりするので人口フードを普段から与えている生体を選ぶようにしましょう。
ヒョウモントカゲモドキ 餌の頻度
ヒョウモントカゲモドキは毎日ご飯を食べなくても尻尾に栄養を蓄えているため、生きることができる頑丈な生き物です。
コオロギの場合
- ベビー:食べるだけ与える
- ヤング:週2回 1回にMサイズコオロギ3匹~4匹
- アダルト:7日~10日に1回 M~Lサイズコオロギを4~5匹
コオロギを与える際は、カルシウムパウダーをまぶすことを忘れないようにしましょう。
コオロギは攻撃性の強い生き物なので、頭を取ったりして噛まれないようにするなどの対処も必要になってきます。
足にはとげがあり、食べる際に口内をけがしてしまう恐れもあるので足を取ることも大切です。
人口フードの場合
- ベビー:食べるだけ与える
- ヤング:週2回 1回に2~3粒(レオパゲルは1cmで1粒カウント)
- アダルト:7日~10日に1回 3粒(レオパゲルは1cmで1粒カウント)
こちらのフードにもカルシウムパウダーを1~2週間に1回は与えるようにしましょう。
ヒョウモントカゲモドキ 値段
ヒョウモントカゲモドキの値段はピンキリで、安い生体は1万円を切ったりしますが高い生体だと20~30万円程かかったりもします。
ヒョウモントカゲモドキは今現在、100種類以上のカラーバリエーションが存在します。
ヒョウモントカゲモドキ 病気
ヒョウモントカゲモドキをお迎え、飼育するにあたり知っておくべき病気を紹介していきます。
脱皮不全
成長するたびに脱皮を行いますが、その際に1部上手く脱皮が上手くできない部位が出たりします。これを脱皮不全と言います。
この問題が起きる1番大きな要因は湿度不足です。湿度が足りないと脱皮を上手く行えず皮が残ってしまいます。乾燥は飼育はじめは起こりがちなので注意しましょう。
脱皮不全はそのままにしておくと、血の巡りが悪くなったりして壊死を起こしてしまいます。
脱皮不全の対処法としてはぬるま湯などに下半身をつけたりして身体を湿らせて綿棒などの柔らかいもので優しくとってあげましょう。
くる病
くる病はレオパだけでなく、爬虫類全般が気をつけなければならない病気です。
爬虫類はカルシウムを一定量血液中で維持しています。
カルシウムを取り込むことをしないと、骨の中のカルシウムを血液中に放出していくので、そのままにしておくと骨が弱くなり、骨が変形したり骨が折れやすくなったりしてしまう恐れがあります。
爬虫類全般を飼育する際はカルシウム不足にならないようにカルシウムパウダーを餌にかけたりて与えるようにしましょう。
下痢・消化不良
これらの原因はいくつかあります。
- 温度が低い
- 身体に取り入れている水分量が多い
- 餌が大きくて消化不良
- ストレス
環境が原因の場合は、環境に気をつけてあげるといいでしょう。
下痢に気づいたら腸の調子を整えてくれる「レプラーゼ」がオススメです。
腸閉塞
腸閉塞は、異物を摂取することで腸内で炎症が起こってしまい、腸の通路が閉ざされてしまう病気です。
この症状が現れる原因として一番多いのが、床材の誤飲によるものです。
2番目に挙げられるのが、生餌が腸内を噛んでしまうというのが挙げられます。
床材はなるべく砂などのきめ細かいものは使用せず、キッチンペーパーを使うと誤飲を防げます。
生餌はなるべく足を取ってあげたり、頭を取ってあげるなどして対策すると良いでしょう。
ヒョウモントカゲモドキ 多頭飼育
ヒョウモントカゲモドキは基本多頭飼育はできません。
まれに同じケージに入れても問題ない子はいますが、まれなだけで危険なことに変わりありません。
喧嘩をして尻尾を切ってしまったり、ストレスにより拒食してしまう恐れもあります。
沢山飼育したい!という方は1匹1匹べ別々のケージに入れて飼育をしましょう。
まとめ
今回はヒョウモントカゲモドキの飼育完全ガイドを制作しました。
これ以外に気になることがあれば問い合わせにて質問を承っております。
性格が優しい個体が多いですが、それ以外の個体もいるのが事実です。一緒に暮らすうえでその子に合った環境を提供してあげるのが飼い主さんの使命だと思います。
これから飼育を考えている方は、是非その子との楽しい生活を過ごしてくださいね!
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